【完】365日、君をずっと想うから。
長い授業が終わり、迎えた放課後。
掃除当番が長引いて、教室に戻った頃にはクラスメイト達はみんな姿を消していた。
帰る準備して、私も早く帰ろうっと。
自分の席に座り、机の中から教科書を取り出す。
机の中に手を入れ、忘れ物はないかと手探りで確認していると。
カタ……
なにかが指の先に当たった。
冷たくて硬い感触。
こんなもの、机に入れていたっけ?
不思議に思いながらそれを机の中から取り出した私は、思わず一瞬反応が遅れていた。
「……、え?」
それは、蓮の懐中時計だった。
ここにあるはずのない懐中時計が、今私の手の中にある。
なんで、これが……。