【完】365日、君をずっと想うから。


驚きと戸惑いを隠せないまま、何気なく竜頭のフックを押して時計の上蓋を開いた私は、


「え……?」


さらに困惑の渦に飲み込まれた。



だって、それは私が知る〝時計〟ではなかったから。



「なに、これ……?」



長針と短針のセットが5つあり、それぞれに

〝month〟〝day〟〝hour〟〝minute〟

と書かれている。



そしてそのすべての針が、反時計回りに動いている。


そう、まるでタイマーのように。



こうしている今も、いくつかの針が頂点にある0に向かって動いていて。



もうすぐ、すべてが0になる。

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