【完】365日、君をずっと想うから。
シノくんの声が、ガランとした教室に響き渡る。
話を聞いている間、片時も蓮の姿が頭を離れなかった。
出会って間もない頃の、蓮との会話が頭の中で再生される。
『じゃあ、どうやって未来から来たの……?』
『過去に戻れるように強く願ったら』
『どうして過去に戻ろうとしたの……?』
『なんでそんなことまで、いちいち花に話さなくちゃいけねぇんだよ』
そして気づけば、蓮がひとりで背負っていた悲しい秘密が、私の頬を濡らしていた。