【完】365日、君をずっと想うから。





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「お袋、久しぶり」



墓石に向かって語りかける。



俺はひとりでお袋の墓参りに来ていた。



なにをしようかと考えたら、ここに足が向いていた。



花を供え、線香をあげると、俺は階段に腰を下ろした。



ポケットから懐中時計を取り出そうとして、その手を止める。



そういえば、無くしたんだった。



ポケットに入れていたはずなのに、いつの間にか消えてしまった。



現れたときと同様に、消えるときも突然で。



でも、まぁいいか。



もう時間なんて気にせずにいたい。



一際強い風が吹き、風に身を任せるように俺は目を閉じる。



そしてこれまでの、未来と今とが混ざり合った記憶に思いを馳せた。

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