【完】365日、君をずっと想うから。


蓮の瞳が潤んでいるのを初めて見た。



とても、とても、綺麗だと思った。



そんな瞳に、私が写っているなんて、どれだけ幸せなことだろうね。



「花、愛してる。
この世界のだれよりも」



蓮が、泣きそうになるくらい幸せで温かい言葉を紡ぐ。



「私もだよ、蓮……」



そして……どちらからともなく顔が近づき、私たちの距離はゼロになった。



愛しさがぶつかり合うように、唇が重なった。



初めて感じる蓮の体温は、温かくて優しくて。



私たちは、唇の熱を通して繋がった。



やがて唇が離れると、蓮が額を私の額に重ねた。



蓮の熱が、私の額を通して身体中に伝わってくる。



至近距離で瞳が交じり合い、私達は微笑み合った。



「蓮、もう一度会いに来てくれてありがとう。
未来から来てくれて、ありがとう……」

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