【完】365日、君をずっと想うから。
「好きって想いもね、伝えられた……っ」
すると、シノくんはハッとしたように一瞬笑みを消し、それから泣きそうな、だけど幸せそうな表情を浮かべた。
「そっか……」
多分、シノくんもたくさん泣いたんだろう。
赤く腫らした目で、私を見た。
「……蓮の願いは花ちゃんの幸せだったけど、多分その裏でもうひとつ願ってたことがあると思うんだ」
突然切り出された話に、私は戸惑いの声を上げた。
「え?」
蓮が、願っていたこと……?
「それは、花ちゃんと想いが通じ合うこと。
蓮は、自分の気持ち、ずっと隠してた。
花ちゃんの幸せの邪魔をしないように。
本当は自分が花ちゃんの隣にいて、だれよりも花ちゃんを幸せにしたいって思ってたはずなのに。
だから最後に花ちゃんが想いを伝えてくれて良かった。
多分蓮は、すごく幸せだったと思う。
ずっと好きだった花ちゃんと、想いが通じ合っていたんだから」
「……っ」
シノくんの言葉に、私はまたじんわりと目の奥が熱くなるのを感じた。
蓮……。
想うのは、蓮の姿ばかりで。