【完】365日、君をずっと想うから。
そう言ってシノくんがポケットから取り出したのは、見覚えのある───蓮のケータイだ。
「え……?」
「昨日のお通夜のとき、おじさんに借りたんだ」
そして、シノくんがケータイに視線を落とし、なにやら操作し始めた。
やがて、ピロロン、ピロロン、ピロロン♪とメールを受信したのは私のケータイ。
「え……? メール?」
制服のポケットからケータイを取り出し、訳が分からないという表情を向けると、シノくんが安心させるような瞳で微笑んだ。
「蓮からのメールだよ。
未送信フォルダにしまっていたままだったけど。
花ちゃんのメールの転送とセットにして順番に送ってるから、見てみてくれないかな」
私は頷き、言われるまま受信フォルダを開いた。