【完】365日、君をずっと想うから。
どこまでも続いている、そう信じるしかないほどの澄み渡った広い空は、私を包み込むようにそこに存在していた。
綺麗……
そう思った刹那、風が吹いた。
あ……、蓮がどこかで笑った。
そんな気がした。
「蓮」
呼んでも、返事はもう返ってこない。
あの手が私の頭を撫でてくれることはない。
「ばーか」
あの声が、そう言って笑ってくれることはない。
隣にいてくれた君は、もういない。
……だけど、私はひとりぼっちじゃないんだ。
家族が、ひかるちゃんが、コウくんがいる。
そして、蓮が空の上から見守っていてくれているから。
全部、蓮が教えてくれたこと。
ねぇ、蓮。
これから先、挫けそうになったり、諦めそうになることもあるかもしれない。
でもね、蓮がくれた強さが背中を押してくれるから、私は今日も前を向くよ。
蓮の温もりが、身体に心に、たしかに残っているんだ。