【完】365日、君をずっと想うから。
◇ 近づく距離
◇
°
◇
翌日。
登校し、下駄箱に靴をしまいながら、私は昨日へと思いを馳せていた。
まぶたの裏には、キラキラ輝く海が映し出されている。
海を見つめる私の隣にはもちろん、蓮がいて。
海、楽しかったなぁ。
あんなにはしゃいじゃったの、久しぶり。
また行きたいなぁ、なんてそんなことまで考えてしまう。
蓮も、同じこと思ってくれていたらいいな……。
「─── ……い、おい」
「わっ!」
低くて、それなのに透き通った声が突然私の思考を遮り、耳に届いた。
完全にぼーっとしてたから、不意打ちをつかれ、思わず大声を出しちゃった。
何事かと顔を上げると、下駄箱に手をつき不服そうな表情を浮かべる蓮がそこにいた。