【完】365日、君をずっと想うから。
「あ、あのっ、さよなら……っ」
彼が起き上がったのと同時にそう声を上げると、スクールバッグを手に取り、彼の方を振り向かないままその場から逃げるように駆け出した。
「待てよ」
突然背後からそう声を掛けられ、私は思わず足を止めた。
「〝さよなら〟じゃねーよ。
〝また明日〟だろ」
……なんで〝また明日〟?
もう会わないよ。
あなたと私じゃ、住んでる世界が違うんだから。
心の中でそう返し、私は何の反応も示さないまま、また走り出した。
やっぱり、チャラチャラキラキラした人って苦手だ。
なに考えているか分からないし、さっきだって絶対からかってたに決まってる、私のこと。
……でも。
彼は私の瞳を綺麗だと言った。
だけど私は、彼の瞳の方がよっぽど綺麗だと思ったんだ。
これが、君との〝出会い〟だった。
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