【完】365日、君をずっと想うから。
プリントのタワーを教卓へと運ぼうと持ち上げる。
だけど、
お、重い……!
思った以上にそれはずっしりと重量感があり、数歩歩いた私は思わずプリントを持ったままよろけた。
「きゃっ……」
と、バランスを崩した私の背中をふわっと抱きとめる体。
当然、それは蓮の体で。
「……あぶねー」
「あ、ありがとう……っ」
蓮の甘い香りと、見た目以上に強い体に包まれて、心臓が早鐘を打つ。
「ったく、大丈夫かよ」
そう言って蓮はなんでもないように苦笑するけど、私はそれどころじゃない。
だめだ、この状況は心臓が壊れちゃう……!
慌てて体勢を整えて蓮から離れ、教卓にプリントを置いた。
蓮といると心臓に悪いよ、ほんと……。
騒がしい鼓動が体中に響き渡る。
だけど、蓮はというと。
「もう暗いし、送るから」
もうすでに話題を切り替え、これっぽっちも気にしていないみたいで。