【完】365日、君をずっと想うから。
蓮がいた未来では、私と蓮はまだ出会って数ヶ月 ─── つまり、この4月にはまだ出会っていなかったってことで。
自然に心からの笑みがこぼれ、それを蓮に向ける。
「私ね、蓮と出会って笑顔が増えたよ。
1日も早く出会えて、本当に嬉しい!
ありが……」
私の声が、ぷつんと途切れた。
それは ─── 蓮の指が私の顎をくい、と上げたから。
否応無しにかち合う瞳と瞳。
いつもと雰囲気の違う蓮に、私の顔から笑みが消えていく。
「え……? れ、蓮……っ?」
「黙って」
近づいてくる蓮の顔。
私を見つめるその瞳は真剣で、いつもより熱を帯びていて……。
こ、これって、き、キス……!?