【完】365日、君をずっと想うから。
6月
「蓮ーっ」
休み時間、教室の机に突っ伏して睡眠をとっていると、安眠を妨げるように俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
顔を上げなくてもわかる。
この声は……
「……シノ」
名前を呼ばれて無視するわけにもいかず、しぶしぶ顔を上げると、そこにはやはりシノが立っていた。
シノ ─── 篠坂 依澄(しのざか いずみ)は、俺の幼なじみであり、親友。
軽くパーマのかけられたふわっとした髪に、ダボッと履いた制服のズボン。
そして、笑うとできるえくぼ。
いつもニコニコ屈託無く笑ってる、そんなやつ。
俺が未来からやってきたことを知っているのは、花とこのシノだけ。