【完】365日、君をずっと想うから。


「えへ、ごめんね。
でも、蓮が来てくれるなんてゆめみたい……。
ゆめなのかなぁ」



ふにゃっといつもより力の入っていない笑顔を浮かべる花。



熱のせいか、ほわほわしてる。



俺を見つめる瞳は潤んでいて、いつもと違う雰囲気に、不覚にも俺の鼓動が速まる。



そんな目してんじゃねぇよ。



ちょっとやべぇかも。



いやいや、しっかりしろ俺。



「夢じゃねぇよ、本物」



「ほんとに? ほんとのほんとに?」



信じてないような表情を浮かべたかと思うと、花は突然俺の手を握ってきた。



握られた右手が、花の手の温度のせいか熱を持つ。



「ふふ、ほんとだ。
にぎれる」



いつもは見せない花の一面に、また動揺する。



あー、もう……。

< 95 / 418 >

この作品をシェア

pagetop