太陽を追いかけて


周りから見ると、とっても不思議だったと思う。


だって宮間くんは、自己紹介のときに言っていたように、本当に人と話したり関わったりするのが苦手みたいだから。


だから、言葉だってみんなからしたらぶっきらぼうに聞こえちゃうし、あんまり表情も表に出さないから、怖いって言ってる人もいるって柚月伝いで聞いた。


でも、そんな人と、あんまりクラスでも目立つことのない私がすごく仲良く話したりしてるんだもん。


それに、自己満足に聞こえちゃうかもしれないけど、私の前だと笑顔も見せてくれたりするんだよ。


……さっきみたいにさ。


きっとみんな、不思議に思っただろうな。


「……なに考えてんの」

「え?」

「なんか、笑ってるから」


宮間くんを見ると、さっきまでの笑顔は消えていて、無表情で私の瞳をジーっと見ていた。


その視線に、胸がドキッと高鳴る。


“好き”って、率直にそう思った。


< 108 / 197 >

この作品をシェア

pagetop