太陽を追いかけて


その瞬間、ばっちりと交じりあうふたりの視線。


……心臓がバクバクととんでもない速さで動いて、今すぐにでも壊れてしまいそう。


「……怒ってるわけじゃないから」


宮間くんは私から目をそらさず、静かにそう言った。


「感情を表に出すのが、苦手なんだ。本当に」

「……ん、知ってるよ」

「だから宮原さん、そんなに悲しそうな顔するなよ。俺も悲しくなる」


宮間くんは私の頬からそっと指先を離し、私の髪の毛をそっとなでた。


もう、自分が自分じゃないみたい。


宮間くんに触れられたところが、ジンジンと甘く痺れを起こす。


「……私、そんなに悲しそうな顔してる?」


そう言ってそっと微笑むと、宮間くんはふふっと笑みをこぼして“うん”と頷いた。


「……あ、でもさ」


何かを思い出したように、宮間くんが言葉を言いかける。


私は宮間くんに向かって、ん?と首を傾げた。


「なんか、今は顔が赤い」

「へ?」

「真っ赤になってるけど。顔も耳も」


その言葉を聞いて、思わず宮間くんをキッと睨み付けた。


< 113 / 197 >

この作品をシェア

pagetop