太陽を追いかけて


道路の端っこで見つめあうように立ち尽くしている私たちを、部活終わりの生徒が横目でチラッと見ながら通りすぎる。


部活の子が帰る時間だというのに、空はまだ青い。


もうすぐそばまで狭まってきていた駅に目をやり、また私を見た宮間くん。


ドクンと、胸の奥が大きく鳴った。


それは多分、宮間くんが今までに見たことがないような熱い目をしていたから。


私の心の奥までも焦がしてしまいそうな熱っぽい目をした宮間くんと、どこまでも青く透き通った色を見せる青空と。


そのコントラストが絶妙で、胸のドキドキが鳴りやまない。


「ありがとう」


宮間くんは私の目を見て、はっきりそう言った。


「俺、やっぱりさ」


宮間くんのシャツを掴んでいるてのひらに汗がしっとりと滲み、私は喉をゴクリと鳴らせる。


その後に続く言葉は、なんとなく予想できていた。


“俺、やっぱりさ、教師になりたい”


きっと私以外の誰かがこの立場にいても、この言葉を想像するんじゃないかって思う。


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