太陽を追いかけて
「本当……?」
ポツリと呟いた私に、宮間くんが言う。
「冗談なわけねえだろ。本当だよ」
……嘘みたいな急展開に、涙すら出てこなかった。
もともと車はあまり通らない道路だけど、さっきみたいに部活終わりの高校の生徒が駅を目掛けて私たちの横を走り抜けていく。
だけどそんなことも気にならないくらい、今の私の瞳には宮間くんしか映っていなかった。
「返事、聞かせてほしい」
緊張してるのか、宮間くんの声が少しだけ震えているような気がした。
ドキドキと鳴り続ける心臓に、お願いだから静かになってとお願いしても、それは逆効果で。
心臓はますます鼓動を速めるばかり。
……ちゃんと言わなきゃ。
宮間くんが言ってくれたみたいに、私も“好き”って。
「えっと、ね……」
「……ん」
「その、ね……」
告白するってことが初めてな私は、恥ずかしさなのか、さっきまで出てこなかった涙がじわじわと浮かんでくる。
「宮間くんのこと、私も好き……」
やっと言えた。
そう思ったときには、私の瞳から一粒の涙がポロッとこぼれ落ちていた。