太陽を追いかけて
でも、心のどこかで不安だったんだ。
翔平のときのように蒼汰をまた誰かに取られたら。
……私はもう一度、地獄のような日々を過ごさなければいけないんだろうか。
翔平とりん、ふたりの笑顔を目にするだけで、苦しくて苦しくて痛かった。
たくさん泣いた。
そんな思いを、私はまたしなければいけないんだろうか。
「愛莉」
涙がこぼれ落ちてしまいそうになったそのとき、蒼汰のてのひらが私の頬に触れた。
蒼汰はとても真剣な目をして、私のことを射ぬくように見つめる。
凛としたその瞳を見ていると、なぜか目をそらしたらいけないような気持ちになって。