太陽を追いかけて
*きみの大切な人*
蒼汰とりんはどういう関係だったんだろう。
蒼汰は同級生って言ってたけど、私にはどうもそうには見えなかった。
蒼汰がりんを見つめる顔がなんだか優しくて、今にも泣いてしまいそうだったから。
蒼汰との水族館デートから数日。
今日は放課後、蒼汰の家にお邪魔することになった。
数日前の私ならすごく喜んでうきうきだったんだろうけど、今はりんのことが胸に引っかかってあまり喜べない。
ふたりがなにもないんだったら、本当にただの同級生だったら。
それはそれでいいの。
だけど翔平のことがある手前、そして蒼汰の優しい顔を思い出す度に、どうしようもないほど胸が騒がしくなる。
「……お邪魔します」
蒼汰の家は私と同じような構造のアパートで、部屋の中はきれいに片付いていた。
家の人はいないみたいで、変に緊張してしまう。
だけど蒼汰は何にも思ってないみたいで、私にチラッと視線をやると、
「ソファーにでも座ってな。なんか淹れてやる」
って台所に向かった。