太陽を追いかけて
私は柚月からそっと体を離して、柚月の顔を見つめた。
柚月も、私と同じように泣いていた。
「あは、愛ちゃん、すごく不細工な顔になってるよ」
「……っ、柚月もだよ」
お互いに泣きながら笑いあう。
「ね、愛ちゃん?りんちゃんに、ちゃんと言ってもいいんじゃないの?なんで翔平くんと付き合ったのか」
柚月は優しく微笑んで、私の頬をなでた。
教室の窓から入り込む風はさらさらとしていて、蒸し暑くなってきた今の季節には不釣り合いなくらいきれいな風だった。
私は柚月に向かってコクっと頷く。
やっと、自分の中で決心することができたよ。
大嫌いな自分とさよならするために、私は頑張らなければいけないんだ。
───柚月、ありがとう。
私、頑張ってみるね。