太陽を追いかけて


私、そんなに分かりやすかったかな……。


なんて思ったのは一瞬で、すぐに


“りんに会ってなにから言えばいいのかな”

“今さら中学のときの話をしても、りんからすればどうでもいいんじゃないか”


って考えが浮かんだけど、これはあくまで私の心をスッキリさせるため、大嫌いな私から卒業するための話なんだ。


そのためにりんに会いにきたんだ。


そう思って、しっかりと自分を奮い立たせた。


──ガチャ。


数分後、目の前の扉が再び開けられたかと思えば、中から出てきたのは今度はお母さんではなくて、りん。


……どうしよう。


心臓がすごくバクバクいってるよ。


りんのお母さんがまず出てくると思ったから、りんが出てきたことに動揺していると、


「愛莉ちゃん、きてくれてありがとう」


ってりんが微笑む。


その笑顔だけで、わかった。


りんはもうきっと、私がここまできた本当の理由を分かってるって。


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