太陽を追いかけて
「翔平くんのことだよね……?それから、蒼汰くんと」
……ほら。
りんはお母さん讓りで、勘がするどいな。
「……うん」
今まで大嫌いで大嫌いで、憎み続けてきた相手が目の前にいるのに、私はすごく冷静だった。
「この家の裏手にさ、ベンチがふたつあったの覚えてる?愛莉ちゃんが遊びにきた日、私と一緒にお昼ご飯食べた場所」
「ああ、覚えてるよ……」
「そこで話そっか?愛莉ちゃんも、家にお母さんがいたら私の部屋でもさすがに話せないだろうから」
りんはそう言うと、家の裏側を指差した。
「行こ?」
そう言って歩きだしたりんの背中を追うように、私はりんの後ろをとことこと小走りでかけた。