太陽を追いかけて
今にもこぼれてしまいそうな涙を見つめながら、私はりんになにも言えずにいた。
震える唇を開きながら懸命に涙をこらえて話してくれるりんの話はこうだった。
───小学6年生のとき、私と蒼汰くんは両思いで付き合ってたの。
付き合ってたっていっても小学生のときだから、おままごとみたいな付き合いだったけど、それでも私は蒼汰くんが好きだった。
蒼汰くんはあまりしゃべらなくてクールで、周りから怖いって言われてることもあったけど、それでもたまにすごく優しいから、女の子からすごく人気があった。
私ね、蒼汰くんと付き合い始めてから数ヶ月後のある日、女の子の集団に体育館裏に呼び出されたんだ。
その女の子たちは、私たちの学年の中でもいじわるで有名な女の子たちだった。
そして、言われたの。
『蒼汰くんと別れないと、りんちゃんをいじめるよ』
そう肩をどつかれて、ほっぺたをひっぱたかれた。