太陽を追いかけて


小学生だった私は、いじめへの恐怖でいっぱいになって、その女の子たちの言葉に必死にコクコクと頷いた。


何度も何度も、首がとれそうなくらい頷いた。


蒼汰くんのこと大好きだけど、蒼汰くんに好きになってもらえて付き合えて嬉しかったけど。


別れるしか選択肢のなかった私は、蒼汰くんに“ごめんなさい”って頭を下げて別れてもらうしかなかったの。


卒業式のちょうど1ヶ月前くらいだったと思う。


蒼汰くんはなにも言わず頷いただけだったけど、私が蒼汰くんに背を向けたとき、聞こえたんだ。


蒼汰くんが鼻をすする音が。


それを聞いた私も涙がとまらなくなって、胸がすごく痛かった。


こんな気持ちで蒼汰くんと一緒の中学へは行きたくないと思ったから、お母さんに必死に頼んで隣町の中学へ行けるようにしてもらったんだ。


手続き、結構ぎりぎりだっだみたいだけどね。


──ここまで話して、りんは一呼吸すると、大きな目を細めて小さく笑う。


りんの真っ白な頬には、もう涙が何筋も流れていた。


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