太陽を追いかけて


それでね、ある日、翔平くんに告白されたの。


“俺と付き合ってください”


そう言って頭を下げて必死そうな顔をする翔平くんを見たとき、一番に愛莉ちゃんの顔が浮かんだんだよ。


これは嘘じゃない。


だけどね、私はそんなにいい子でも優しい子でもなかった。


愛莉ちゃんが翔平くんのことずっと大切に思ってきたことも、大好きなことも、全部全部知ってたのに、私はその告白に頷いてしまった。


──そう涙ながらに言葉を吐いて、りんは私をまっすぐ瞳に映した。


「……愛莉ちゃん、本当にごめんなさい」


そしてグッと顔を俯ける。


その拍子にりんの目からこぼれ落ちた涙が、りんの服にポタポタとしみを作った。


「謝ろう、ちゃんと愛莉ちゃんにごめんなさいって言わなきゃ。そう思ってたんだけどね、なかなか愛莉ちゃんとその話をする機会もなくて。すぐに気付いた。愛莉ちゃんが私を避けてたこと」

「……りん」

「私がいけなかったの。翔平くんの告白を受けたとき、ちゃんと断ってたら。翔平くんに告白されたとき、愛莉ちゃんにちゃんと相談してたら。きっと愛莉ちゃんとこんな風にはならなかったのに」


……涙を流すりんの姿があんまりにも小さくて、私の胸がきゅーっと締め付けられる。





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