太陽を追いかけて


りんの家からの帰り道、私はゆっくり歩きながら、芽吹く木々の向こう側にある景色を見つめる。


そこには、真っ赤な夕日が姿を現していた。


「……きれいだなあ」


自分でも気付かない間に無意識にそうつぶやいていた。


──ブーブー。


それからすぐ、ポケットの中に入っていたスマホが振動したから誰かなと思ってスマホの画面を開くと、メッセージを送ってきたのはお母さんだった。


……あ、柚月からもきてるや。


とりあえず先に柚月からのメッセージを開くと、内容は、


─────
愛ちゃん、
上手くりんちゃんに伝えられたかな?
─────


という私を心配するものだった。


「本当、柚月は優しいんだから」


そう小声でつぶやきながら、私はスマホの画面を指でタップする。


─────
上手くいったよ。
これも全部全部、柚月のおかげ。
柚月、本当にありがとね。

……柚月と友達になれて、よかった。
─────


送信したのはこのメッセージ。


最後の一文はちょっぴり恥ずかしかったけど、でも本当に思ってるからね。


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