太陽を追いかけて
そんなことを思っていると、お母さんは私の目をまっすぐ見つめて、それからやわらかく笑った。
「……いいじゃない」
「へ……?」
「優しい愛莉に、とてもよく合ってる職業だと思うわ」
そう言って、目尻を垂らすお母さん。
思ってもいなかった言葉にびっくりした私は、とても変な声を出してしまった。
「……お母さん、なんで笑ってるの?」
「え、だって嬉しいじゃない。大切な娘が、こんなにも立派な夢を持ってるんだもの」
「怒らないの……?」
「ええ?なんで怒らなきゃいけないの。お母さんが怒る必要なんてどこにもないじゃない」
お母さんは嘘を言っているようにも見えなくて、本心で言ってくれているんだってことは分かった。
だけど……。
「お金、かかっちゃうから。またお母さんに迷惑かけちゃうから」
避けては通れないこの問題。
私が申し訳なさそうに小さな声で言うと、お母さんは一度目を丸くして、ふふっと笑った。
「ああ、それでなのね」
そしてなぜかなにかに納得したように何度も頷く。