太陽を追いかけて


だったらその答えは、決まってる。


ずっとずっと前から、きっと蒼汰と付き合い始めたあの日から、私の中での答えはいつもただひとつだった。


「私は……」


蒼汰からスッと体を離して、蒼汰の目を見上げる。


きみにちゃんと伝わりますように、そう心のなかで願いを込めた。


「蒼汰が好き、大好き」


緊張で声が震えて、ドキドキで全身が熱くて。


「……私は蒼汰が好きだから、だから……蒼汰と別れたくないよ……っ」


やばいと思ったときには目から涙がこぼれ落ちて、蒼汰の前で顔を歪めて泣いてしまった。


きっと私の顔はすごく不細工になってると思う。


でも今の私には、そんなことは関係ないの。


蒼汰になんの気持ちも伝えられないまま終わりを迎えてしまうほうが、なによりも後悔してしまうと思うから。


< 188 / 197 >

この作品をシェア

pagetop