太陽を追いかけて
泣きながら必死に蒼汰を見上げると、蒼汰はとても苦しそうな顔をしていた。
……ねぇ、蒼汰。
どうしてそんなに苦しそうな顔をしてるの?
私の中で嫌な予感がもわもわと広がっていく。
「……え?」
だけどそんな私の予想とは反して、蒼汰は私をぎゅっと優しく抱きしめた。
蒼汰の温もりがとても心地よくてなぜかホッとする。
「……愛莉」
「ん……?」
「俺、愛莉に振られると思ってた」
耳元で聞こえた蒼汰の声はとっても弱かった。
「……愛莉がさ、急に話あるって言い出すし、この前俺の家にきたときなんかすごく愛莉思い詰めてたから。無理に笑ってたから」
……ごめん、蒼汰、ごめん。
私は心のなかで謝る。
「……愛莉に振られるのかと思ってたけど、愛莉が好きって言ってくれたから」
「……蒼汰」
「それだけで俺、今すごい幸せだよ」
そう言って蒼汰は私の顔を覗き込み、目を潤ませながらそれを隠すようににかっと笑った。