太陽を追いかけて
蒼汰はそっと私に目を向けると、奥二重の目尻をにこっと細めて優しい顔で笑う。
「……愛莉の好きな景色を、愛莉と一緒に見ることができて嬉しい」
その言葉に泣きそうになった。
だけどさっきまでたくさん泣いたからもう涙はでない。
心も体も、とても晴れ晴れとしている。
私はもう一度目の前にある景色に目をやって、それから高い高い遥か彼方にある太陽を見上げる。
太陽の放つ輝きが眩しくて、私は自然と目を細めた。
「……愛莉」
しばらくそうしていると、ふと蒼汰が思い出したかのように急に私の名前を呼んだ。
「なに?蒼汰」
だから私も蒼汰に聞き返す。
「俺がさ、愛莉を好きになった理由、これなんだよ」
「……ん?」
「愛莉の笑顔。太陽みたいだなって。素直って、まっすぐってことだろ?太陽もただまっすぐ俺たちを照らしてくれてるだろ?」
「うん……」
「愛莉は俺の太陽なんだ、きっと。愛莉がそばにいてくれるだけで、俺はきっとまっすぐ歩いていけるから」
そう、私の目を見て言ってくれた蒼汰。
顔が真っ赤になってるのは言わないでおこう。