太陽を追いかけて


蒼汰の言葉ひとつひとつがとっても嬉しい、愛しい。


翔平一筋だった私をこんなにも好きにさせるなんて、蒼汰は本当にすごい魅力を持った人だって思うの。


今思えば、翔平に恋をしていた自分がすごく懐かしく思える。


あの頃は自分が大嫌いだった。


なんにも言いたいことが言えない、我慢しかできない、そんな自分が嫌いで嫌いで仕方なかった。


自分がいけなかったのに、勝手に正当化して、りんのときのように相手のことを嫌いになったこともある。


翔平にそうだったように、自分の気持ちをなにひとつ言えなくて後悔したこともたくさんある。


……だけど、人は変わる。


たったひとりと出会うだけで、ほんの少しのきっかけがあるだけで、一ミリの勇気を持つだけで。


自分を変えることができる。


それに気付かせてくれたのは、大切な親友である柚月。


そして私の大好きな人、蒼汰だった。


< 193 / 197 >

この作品をシェア

pagetop