太陽を追いかけて
ひとりで見る学校までの景色は少し色あせて見えたけど、柚月は寝坊をよくするから、今日みたいなことも少ないわけじゃない。
しばらくぼんやり景色を眺めながら歩いていると、高校の校門が見えてきた。
私は歩く足を止めないまま、顔だけを左右に動かして柚月の姿を探す。
「……やっぱりね」
私はひとりでポツリと呟く。
やっぱり、柚月は校門にいなかった。
だけどこれもいつものこと。
私は特に気にすることもなく、校門のはしっこの壁にもたれかかり、スマホをいじり始めた。
それから2分か3分くらい経った頃、左側から柚月が私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。