太陽を追いかけて
チラッと目線を声のした方へ向けると、一生懸命私のいる方へ走ってくる柚月の姿が目に映った。
「……っ、はぁ、愛ちゃん、ごめんね……っ。急いだんだけど、やっぱり待たせちゃったよね……」
息を切らしながらも、本当に申し訳なさそうに眉毛を下げながら私に謝ってくる柚月。
だけど、柚月。
私、そんなことで怒らないよ?
「柚月が時間通りにこないことなんて分かってたって。もう柚月と一緒にいるようになって一年だよ?」
「え、まあ、そうだけど……」
「柚月のマイペースなところも全部知ってるよ。それを知ってる上で私たちは友達なんだからさ。そんなに気にしないでいいよ」
私が柚月を見てにこっと微笑むと、柚月は目をうるっと潤ませながら、
「あ、あ、愛ちゃん……。私、愛ちゃんと会えてよかった……。本当にありがとう」
ってとんでもないくらい大袈裟に、私の手首をつかんでぶんぶんと上下に揺らしてきた。