太陽を追いかけて


教室の中に入ると、もうみんな一年生のときに仲の良かった子たちと固まってて、グループがある程度出来上がっていた。


「……私、愛ちゃんと一緒のクラスで本当によかった。今、心からそう思ってるよ」


聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう呟いたのは、私の隣にいる柚月。


……本当だよ。


「私だって、柚月と一緒でよかった……」


同じように呟いた私に、柚月の視線が向けられる。


「私たち、さ。あんまり誰かと仲良くなるの得意じゃないしね……」

「……うん、そうだね」


柚月の言葉に、思わず大きく頷いた。


……そう。


私たちふたりは高校に入学したての頃、誰にも話しにいけなくて、クラスの中で最後まで一人ぼっちだったふたり。


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