太陽を追いかけて
私はひとつ息を吐いて深呼吸すると、まず自分の名前を言おうと大きく息を吸う。
だけど、そのとき。
急に、本当に急に、鼻の奥がムズムズし始めて、気付いたときには……
「……っくしゅ」
と、小さなくしゃみをしていた。
途端に、たくさんのクラスメイトの笑い声が教室中を駆け回る。
「………っ」
うわあ……最悪だ。
もう人生で一番ってくらい、最悪だよ……。
顔が真っ赤に染まっていくのが自分でも分かって、そんな顔を隠すようにグッと顔を下に向けた私。
恥ずかしすぎるでしょ……。
頭の中が真っ白になって、もう自分が何て言おうと思ってたのか分からなくなって。
何を言えばいいのか、それすらも、自分で分からなくなっていた。