太陽を追いかけて
そっか。
次、自己紹介なんだね。
「……宮間蒼汰(そうた)です。あんまり人と話すの得意じゃないけど、まあ、よろしくお願いします」
宮間くんと呼ばれた男の子は、気だるそうに立って自己紹介を簡単に済ますと、面倒くさそうに髪の毛をかいてから席に座った。
……宮間蒼汰くんっていうんだ。
冷たそうな雰囲気に、一瞬、お礼を言うべきか迷ったけど、やっぱりここはひとりの人としてちゃんとお礼を言うべきだよね。
「あの、宮間くん」
私は体全体を少しだけ横にずらして、後ろの席に座っている宮間くんの方を見た。
「……なに?」
宮間くんは頬杖をついたまま視線だけをチラッと私に向けて、一言だけそう返してくる。
さっき自分で言ってたけど、本当に人と話すのが得意じゃなさそうだなあ。
なんて思ってもそんなこと本人には絶対言えないし、私も人のことを言えるような立場じゃない。