太陽を追いかけて
女の子……って、私のこと、だよね?
そんなこと分かりきってるはずなのに、もう一度聞き返してしまう私は、よっぽどびっくりしていたんだと思う。
「あ、あの……それって、私のこと?」
「……宮原さんしかいないじゃん」
「だ、だよね」
なんとなく、気まずい雰囲気が流れた。
2秒、3秒、10秒と、刻々と時間は過ぎていく。
私の耳に入るのは、時計が時間を刻む音と、わずかな風の音だけ。
こういう時なんて言えばいいのか分からなかった私は、ただ視線を床に落として俯いていた。
「あのさ」
先に重い沈黙を破ったのは、宮間くんの低い声。
顔を上げると、宮間くんは私の瞳を真っ正面から見つめていた。
「こういうの、迷惑?」
宮間くんは私から目をそらさない。
だから私も、宮間くんから目をそらすことができなかった。