告死天使
彼女を支えたのは、隣にいたリードギターだった。
3年の、去年の部長。
彼女と付き合っていて、そのために残留したという噂の。

「…すみません、ちょっとコード踏んじゃって。」

マイクを通し、彼女はそう弁解した。

さざめく笑いが起こる。
自分をネタにごまかした後で、彼女は言い直した。

「…ありがとうございました!」

会場中からの拍手。

彼女は、それでライブをお開きにした。
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