告死天使
楽器の撤収が始まってすぐ、俺は舞台の裏に走った。

ステージを降りる彼女。
その手から、俺はマイクスタンドを引き取った。

「…大丈夫?
 具合、良くないみたいだけど…。」

うつむきがちな顔を覗き込む。

「あ…すみません。
 大丈夫です…ちょっと、最近体調悪くて。」

その顔色は、良いとはいえなかった。
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