告死天使
7月、最後の週。

俺は、高校の時と同じように、地下鉄を学校の最寄り駅で降りた。

学校とは逆方向の出口から上がる。
出てきたところは、市内を貫く高速道路の真下。

…この方向には盛り場も何もないから、在学中はここに来ることはなかった。
だから、この向こうに総合病院があることも、今まで知らなかった。

病院自体は、建物が大きく、すぐ分かった。

正面玄関の自動ドアをくぐる。
照明を和らげたロビーの隅、ジュースの自動販売機の前で、奴が待っていた。
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