告死天使
ある程度聞いて、俺はイヤホンを奴に返した。
奴は受け取り、再生を止めると、耳からイヤホンを抜いた。

「サンキュ。」

そう言いながら、奴はそれを彼女に差し出した。

「今度アルバム出るっしょ?
 良かったら、MDに入れて持ってくるわ。」

「え、いいんですか?
 お願いします!楽しみにしてます。」

彼女の眼が、笑っているのが分かった。

それを傍観している俺。
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