告死天使
――その数日後。

俺は、奴に誘われるままに、再び彼女を見舞った。

前とは別の部屋で、窓からは、高速道路と建設途中のビルが見えた。
締め切ったガラス窓を通して、工事の騒音がわずかに聞こえる。

ベッドの上の彼女。

普通に体を起こしているのが辛いのか、リクライニングさせたベッドマットに、背中をもたせるようにしている。

マスクと長袖のパジャマ。
見て取れるのは、目もとと膝の上の両手。
それでも、最後に会った時より、痩せた感じがした。
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