告死天使
「先輩、最近どうしてるんですか?」

彼女は、俺にそう訊ねた。

「うん…予備校生してる。」

「じゃあ…すみません、
 大事な時期に来させてしまって。」

そう言って、彼女は頭を下げた。

「いいって…。
 模試の判定では、合格圏内だから。」

「じゃあ、ちょっとは安心ですね。
 でも、気を抜かずに頑張って下さいね。」

「ああ。…きみも。」

そう言った時、彼女は少し悲しげな表情を見せた。
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