告死天使
「うん…すぐまた来るよ。
 何か持ってきて欲しいものある?」

「いいえ、お話できるだけで。
 …あ、でも、勉強第一で、無理しないで下さいね。」

奴も俺も笑った。

「ああ。
 きみも、医師〈せんせい〉の言うことをよく聞いて、
 無理しないようにね。」

奴がそう言うのを聞きながら、俺も席を立った。

2脚の椅子を、元あった壁際に片づける。

病室を出る俺たちを、彼女はベッドの上で見送った。
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