告死天使
そのためには。

来年の春、医学部に合格していること。

それが最低条件だった。

…それに、とりあえず、その報告ができれば――彼女も喜ぶんじゃないか、そう思った。

講師の反応は鈍かった。

決して有名でない公立大でも、医学部となると難関だった。
俺の偏差値で受かる可能性は低い、との現実。

だが俺は、そこを食い下がった。

「この冬までに、挽回してみせます!」

…そう言いきって、どうにか、「今さら」な医歯薬系コースに編入することになった。
< 148 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop