告死天使
高速道路の向こうに、建設中のビル。
以前来た時よりも、工事は進んでいるようだった。

「…ねえ、あのビル、」

頭を動かして、彼女が窓の方を見た。
…彼女の位置から、それが見えているのかは分からない。

「完成したら見学に行こうよ。」

俺たちが高校生の頃から、計画はあった。
地方TV局が学校の近くに移転してくること。

完成予定は卒業の後だと知っていたが、何となく楽しみにしていた。

特に彼女の「夢」を知ってからは、そこでスタジオに立つ彼女を想像したりもした。
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