告死天使
「――大丈夫だって。」
俺は、彼女に手を伸ばしていた。
毛布の上から、そっと肩を揺する。
「誰だってさ…病気にはなるじゃん。
体が完全に良くなったら、
お母さんも考え直してくれると思う。」
――そう、また歌えるようになったら。
去年の今頃、文化部発表会でそうさせたように。
「…今は、きみに無理させないために、
そう言ってるんじゃない?」
俺は、彼女に手を伸ばしていた。
毛布の上から、そっと肩を揺する。
「誰だってさ…病気にはなるじゃん。
体が完全に良くなったら、
お母さんも考え直してくれると思う。」
――そう、また歌えるようになったら。
去年の今頃、文化部発表会でそうさせたように。
「…今は、きみに無理させないために、
そう言ってるんじゃない?」