告死天使
俺のどこから、こんな言葉が出たんだろう。
自分で不思議に思った。
人と話すのは苦手で、「上手い言葉」なんて考えられもしなかったのに。

「…そうかな…。」

彼女が、ようやく言葉で応えた。

「うん。きっとそうだって!」

――毛布から顔を出した彼女は、うるんだ瞳を窓の方へ向けていた。

「…もう少しビルが高くなれば、
 このままでも見れるかな。」

「見上げたいなら、
 完成してから下に行けばいいじゃん。」

俺は笑って見せた。
彼女はただ、何かを考えるように、窓の外を見ていた。
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