告死天使
「疾走」
―2000年・冬
―2000年・冬。
俺の部屋の窓から見える街路樹も、裸に近づいた。
奴は、変わらず見舞いの約束を取り付けてきたが、彼女の側からキャンセルになることが多くなった。
具合が良くないんだろうか…。
そんな不安を振り切って、俺は勉強に打ち込んだ。
――そのことに、手ごたえがなかったにしても。
そしてふと思う。
あのビルは、どのぐらい高くなっただろう。
彼女にも、もう見えるだろうか。
…完成は、来年秋だと聞いていた。
俺の部屋の窓から見える街路樹も、裸に近づいた。
奴は、変わらず見舞いの約束を取り付けてきたが、彼女の側からキャンセルになることが多くなった。
具合が良くないんだろうか…。
そんな不安を振り切って、俺は勉強に打ち込んだ。
――そのことに、手ごたえがなかったにしても。
そしてふと思う。
あのビルは、どのぐらい高くなっただろう。
彼女にも、もう見えるだろうか。
…完成は、来年秋だと聞いていた。